歌人・大西民子もまた、暑い夏を過ごしていたことでしょう。夏の歌には、「花火」や「風鈴」など、日常生活の中浮かび上がる風景が詠み込まれています。また、職場の夏を詠んだ歌もあり、仕事中の民子の姿を垣間見ることができます。
一方、東北に生まれ育った民子は、幼いころに体験した冷夏の年について、エッセイに残しています。大人たちが米の収穫量を心配していたこと、家計の苦しさから働きに出ることになった同級生のことなど、寒い夏にまつわる記憶を語っています。
今回は、夏にまつわる歌やエッセイなど、民子の自筆原稿や道具をご紹介します。