歌人・大西民子は、学生時代には奈良女子高等師範学校で日本文学を学ぶなど、若いころから古典に親しんでいました。短歌の師・木俣修からも、古今東西の文学作品を学ぶように教えを受けており、自身の歌の作る上で知識を広げていきました。
今回は、その中でも民子が好きだった「源氏物語」を中心に、自筆原稿や民子が愛読していた蔵書等を展示いたします。民子のエッセイを通して、煌びやかな平安文学をご紹介します。
今年は大宮ゆかりの歌人・大西民子の生誕100年、没後30年の記念の年です。
大西民子は1949年、25歳の時に大宮に移り住んでから歌人・木俣修に弟子入りし、自身の日常生活を赤裸々に詠んだ第1歌集『まぼろしの椅子』で注目を集めました。その後歌人としてめきめきと頭角を現し、『風水』で迢空賞を受賞、1992年には紫綬褒章を受章しました。
今回、埼玉県歌人会の協力のもと、「あなたが選ぶ大西民子の好きな歌」として民子の歌百首を選んでいただきました。今を活躍する歌人たちは、民子の歌にどんな想いをいだいたのか。自筆資料とともに埼玉県歌人会が選んだ「大西民子百首選」をご紹介します。
生誕100年になった今、皆さまに改めて民子の歌の魅力を感じていただければ幸いです。